K's Atelier

個人的な学習記録

マンション大規模修繕の参考書籍

マンションの大規模修繕は,修繕積立金の話から始まって,「勉強していない人には荷が重い」。私も初めて理事会に参加したときは全く分からなかった。とはいえ,衣食住の中でもとりわけ突発的に巨大なお金が動くのだから,書籍代を惜しんでいる場合ではないと思う。

自分で読んだ中で,もっとも網羅的に,管理組合視点でまとまっている書籍を記録しておく。

世界で一番やさしいマンション大規模修繕

マンション大規模修繕関連書籍の中で,非常に中立的な視点でまとまっていると思われる一冊が「世界で一番やさしいマンション大規模修繕」である。「大規模修繕の流れ」「大規模修繕の各種工事」は図も写真も多く,非常に参考になる。大規模修繕の計画を管理会社から言われている組合員は読んでおいて損は無いと思われる。出版が2010年なので,現在最新の建築業界の状況(さらなる人材不足,IT活用によるコスト削減など)は挙がっていないのが残念。最新状況を踏まえて改訂してほしい。

なぜ「中立的な」と書いたのかというと,巷には特定の建築技術を持つ会社が執筆している書籍もあるからだ。特定の工法が最適であるかのように誘導する書籍には注意が必要である。複数の情報源を比較考察することが大切だ。

マンション大規模修繕の知識面対策

マンションの大規模修繕の知識面の対策には,いくつかの分類ができるように感じる。

  1. 資金計画
  2. 法律関連
  3. 建築技術

で,かなりの区分所有者が「法律と建築の知識がない」ことを理由に大規模修繕に関する活動への参画を避けている。しかしそれは非常に危険だと思う。大規模修繕の施主でないと判断できない,「資金計画」まで他人に任せるというのは,財産放棄に等しい。まず冷静に,大規模修繕に対して自分が支払うお金を確認した方がよいだろう。何十年という期間をかけて,何百万,何千万ものお金を支払っていることを理解したうえで,それでも「自分は考えたくないです」というなら,それ自体は仕方ない。

しかし「私は関係ない」では済まされなくなりつつある。www.mlit.go.jp

国土交通省が,マンションの管理に対する監視を厳しくし始めた。建築業界としても新築すれば売れる時代ではなくなってきたので,既存物件所有者からの利益回収を改めて考えているとは思う。

建築の経験が無いのは仕方のない面もある。しかし,知識,情報面の努力を怠った場合には誰も助けてくれない。