内製化の成功要因。
- 内製化の目的(必要性)
- 変化を受け入れる文化
- 技術
- ツール
目的を,経営レベルできちんと考える。金勘定だけで判断しない。
システム内製の理由は「コスト削減」、日本企業の残念な実態がガートナー調査で判明 | 日経クロステック(xTECH)
失敗する人はどうも根本的に思考が違うようだ。こういう理屈で「経営」している人は絶対に技術投資に失敗する。個人で言えば,勉強する(技術を身につける)かどうかを現在の金勘定だけで判断しているのに等しい。
今までアウトソーシングでやっていて,それでいいと思っていた(いる)のだから,まずそこからよーく考えないといけない。なんでアウトソーシングしたんだっけ?この時「アウトソーシングの方が安かったから」って考えが真っ先に出るのであれば,その思考から変えないとだめだろう。どっちが安いかだけで判断するから経営判断をミスするんだ。
金勘定と合わせて,人間の心理面もある。アウトソーシングしたいのは,楽をしたいからだ。
自分たちの生活であれば,夕飯のデリバリー,家庭教師など,アウトソーシングできるものはアウトソーシングしている。外食をするのは,自炊の時間をお金で買っていると考えることができる。家庭教師は,親が自分の子供の教師になるのは非常に難しいので,学習内容によっては頼まざるを得ない面がある。
人間は楽をしたい生き物なので,「外注だと高いし遅いから内製化する」と掛け声をかけたくらいで内製化ができるものではない。お金がかかったり,遅かったりしても,末端側は特に困らない。従業員はお金出してないから。遅くてもそれはパートナーの作業が遅いだけで,自分の仕事が遅いわけではない。自分事にならないものは皆,その程度の認識になる。特に経営者が「外注高いから,従業員に仕事を割り振った方が安い」程度の認識なら,従業員は動かない。
楽ではないことをあえてやるからには,経営の視点(お金だけの話ではない)から各個人が「どうしたいのか」を考えるのが第一なのだろう。
そのうえで「スモールスタート」する。これが次に難しい。アウトソーシングしたものは,問題になっている時点ですでに大規模になっているので,手が付けられないことが多いからだ。大きく変えること自体がリスクになる。
技術面でいうと,今まで楽をしていたのだから過去にやっていた人であってもリハビリが必要。すぐにできる,なんでできないんだ的な発言をする会社からは,できる人から順番に転職していくだろう。
AWS界隈では内製化支援パートナーとかいう話が出ているが,DX白書の内容を見ても,うまくいっている気がしない。技術中心で進めることには限界がある。もっとメンタル中心で進めないと,メインフレームベンダのロックインが外れてクラウドベンダのロックインになっただけで終わる。
偉そうに書いてしまったが,自分たちでやった方が良いことを適切に判断し,前に進むのは本当に難しい。
参考文献
IPA,「DX白書2023」
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/gmcbt8000000botk-att/000108041.pdf