K's Atelier

個人的な学習記録

賃貸不動産経営管理士2022年度問題の余波

資格試験でまさかの「正解」、賃貸アパートの鍵を壊したら大家の負担?予備校は困惑、国も苦言(47NEWS) - Yahoo!ニュース

 

去年の問題はいろいろと波乱があった,のだがまだあったのか。

 

問11

原状回復ガイドラインにおける借主の負担に関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

の正解は,

鍵は、紛失した場合に限り、シリンダーの交換費用を借主の負担とする

だったとのこと。

 

これは作問側のミス。

限定語「限り」というのは作問においては要注意なのだ。限定が可能なのは,仕様に明確な取り決めがある場合のみ。一般論には必ず例外がある。今回は「現状回復ガイドライン」を仕様としている。

 

現状回復ガイドラインにはなんとあるか。

住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省

https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

 

 

●鍵の紛失、破損による取替え
(考え方)鍵の紛失や不適切な使
用による破損は、賃借人
負担と判断される場合が
多いものと考えられる。 

p.21

 

「不適切な使用」とあるので,紛失に限らない。よって選択肢4は間違い。

問11は「正解肢なし」が適切な判断だろう。

 

そうでなければ,借主が鍵の紛失をごまかしてシリンダーを破壊した場合,貸主側の負担になってしまう。「紛失した場合に限る=不適切な使用を排除する」というのはそういうことだ。

 

賃貸不動産経営管理士は,いわゆる「サブリース問題」の対抗策として国家試験化がすすめられた。その国家試験が言葉の解釈を捻じ曲げるようではいけない。