K's Atelier

個人的な学習記録

AIと代数幾何学

AIを学ぶのに必要な最低限の数学の知識は5つだけ!|shi3z

五年前くらい前に、note株式会社の加藤社長も「社内で代数幾何学の勉強会を開いてるんですよ」と言っていた。僕はその都度「それは全く遠回りどころか明後日の方向に向かってますよ」と言うのだがなかなか聞き入れてもらえない。

まじでそんなひとがいるのか。

ベクトルとかテンソルという言葉から代数幾何学がひっかかってくるというのは確かにそうだが,機械学習で普通に言う「テンソル」は単に多次元配列でしかない代数幾何学で言ってるテンソルは,ベクトル空間の話なので全く話が違う。代数幾何学テンソルは,(言い方は何だが)数学的に非常に都合のいい空間だ。

 

ただ,ここぞとばかりに数学力を強調する方々もいらっしゃるようだ。

https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/risukei_jinzai/pdf/001_04_00.pdf

代数幾何学から特異モデル選択とか。

https://www.mathsoc.jp/assets/file/publications/tushin/2502/2502aoyagi.pdf

 

確かに,機械学習多項式を扱うところでは,多項式を扱う数学である代数幾何学が役に立つところもあるのだと思うが,目指すところがかなり違う。

そういうのが好きな方は,「代数幾何と学習理論」とか読むと良いのかな。

 

私が代数幾何学に興味を持っているのは,講師として「受講者の気持ち(=分からない)」を理解したいから。簡単に分かってしまう分野だと,受講者の気持ちが分からない。

とはいえ,代数幾何学だけだとあまりにも道具として個人的に現実味がないので,代数的トポロジーで目を鍛えたりしている。

 

機械学習のおかげで大学の教養レベルの数学は欲しい,と言う状況がでてきたものの,さすがに数学科3,4年次のレベルが求められるというのはちょっと違うな。

数学も道具なので,利用者が増えれば道具も使いやすくなってうれしい,というのはあると思うが。