Amazon.com, Inc. - Amazon.com Announces First Quarter Results
景気減速の影響でAWS利用企業がクラウドコスト削減に本腰を入れてきているようだ。AWSの成長率が鈍化してきている。「インフラを変動費にできますよ」というのがクラウドの売りの一つなのだから,景気減速で「簡単にできるところから」減らすのは当然。
そんな状況を見越してか,日本語書籍が発売された。非常に陳腐化が激しい書籍だとは思うが,現状の用語の整理にはなる。
Amazon、さらに9000人をレイオフ AWSやTwitchが対象 - ITmedia NEWS
AWS利用者のコスト最適化よりも気になっているのは,「AWS社内のコスト最適化」。
世界経済が減速する→各社がクラウドのコストを削る→インフラ設備を固めてもっているAWSがハードウェアを削減・・・できないので人を減らす。という流れなのだろう。
AWS教育の界隈も今後は厳しくなってくる。
2023 Japan AWS All Certifications Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ
昨年は 340 名のエンジニアの皆様を表彰致しましたが、本年は 579 名ものエンジニアの皆様に、現在リリースされている全ての AWS 認定を取得頂きました。
ということで,2024年度には1000人くらいになっているのではないかと予想する。「教育丸儲けじゃん」と思ってはいけない。これは「安価に試験対策ができるようになった」ことの裏返しだ。もうこの手の,陳腐化の激しい知識の試験というのは,対策法が確立してしまっている。合格するだけなら,丸暗記が最も効率が良いのだ。「それでは試験の価値がうんぬん」とかいうのは,試験に個人的な価値を見出したい人の主張に過ぎない。Solution Architect Professional合格者のうちの何名が,実際にDirect Connectを現場で設定するのだろうか。
生成AIの精度向上により,単なる知識量の差は技術者の差にならなくなっていく。単に暗記しただけでは役に立たない,というのは以前から言われてきたことだと思うが,生成AIのおかげでそういった品質の悪い「なんちゃって学習」が淘汰されるようになる。
価値ある学習とは,年単位で,深く集中して探求することだ。
「現代人は忙しいから,マイクロラーニングが有効だ」という問題認識が,ここ数年のe-learningの発展を支えている。その結果,マイクロラーニングで学習可能な程度の「マイクロな成果」しか身につかなくなってきた。この手の「小さな」「同程度の深さ,観点からの」学習は,生成AIのような物量作戦には勝てない。
人間は,一つのことを忍耐強く,さまざまな角度から考えることができる。
そういった,粘り強い思考が,人間の価値だろうと思う。
そういえば,火の鳥鳳凰編に「心の中に仏を持て」というようなシーンがあったような。身につけるべきはそういう,他人に盗まれず,壊されないものだろう。