「社内ベンチャー」とかいう話が出たりするが,ちょっと思ったことがある。
関係者が「従業員マインド」から「起業家マインド」に変化しないと,まず社内ベンチャーはうまくいかないんじゃないか。
従業員マインド・・・与えられたリソースの範囲内で成果を挙げる
起業家マインド・・・成果を挙げるために使えるものは全て使う
起業家が自分で起業する場合,社内の人脈で不足するなら自分で人を取りに行く。その時に他者の承認などを受けることはない。もちろん共同出資者には相談するだろうが,その場合の相談はほぼ即決だろう。投資家は判断を遅らせるリスクを心得ている。
だが,社内ベンチャーだと,たとえ自分で人脈を見つけたとしても「すいませんこういうことするのに適任の人がいるので一緒にやってもいいですか」からスタートするのだろう。打ち合わせ調整をするだけで1か月くらい経ってしまう。何しろその人が必要であることを上司に納得させるための打ち合わせから始めないといけない。
また,上司が投資家マインドを持たない場合もある。上司が結局は従業員マインドである場合,上司も理解できないことで責任取りたくない気持ちが勝る。そういう場合の上司は単なる障害物でしかない。
ベンチャーを立ち上げようとした時点で,立ち上げる人たちは自分でも投資をする覚悟が無ければいけない。会社がリソースを出さないのであれば自分が出資する。その代わり,会社の言いなりにはならない。会社と同等の立場である。
と,考えると,何となく集めた従業員(労働時間の提供者)だけで新しいことができるわけないのであった。
