DCF法ってなんだっけ。むかーし中小企業診断士の参考書を眺めたとき,WACCがどうしたのとやたら実感の無い話が続いていた気がするんだけど。ということで久しぶりに参考書を眺めてみた。今でもM&A界隈はこういうことやってるんですかね。この手のハイリスク系ではM&A businessと,もう一つはVenture Capitalがあるようだ。Venture Capitalの方になるといよいよ日本語ではまともな書籍が無い気がする。VCを使うなら,もう日本で起業しない気がするし。
ふと思ったのだが,日本人は世界でももっとも長寿の国だ。ということは,長期投資に向くということではないか。各人が真面目に長期投資の勉強をすれば,それなりの投資国家になれそうな気がする。まだ日本は個人投資家に成長の余地があると思う。
著者の平木氏が辛口で,好感が持てる。p.220「寒い駄ジャレで悦に入る証券業界」とかかなり手厳しい。
NISAが誕生して10年。積み立てやジュニア用などマイナーチェンジがありました。今回の制度改正では年間投資枠の拡大など手が加えられていますが,個人投資家の最大の願いは,より多くの配当にほかなりません。
うーん,配当性向を決めるのは企業の方だから,それは企業努力かな。NISAで言うなら,最大投資枠1800万円を更に拡大していただきたい。というか通常取引の税率20%ももうちょっと下がらないのか。これをいうと,1億円の壁が,という話がでてくるのだが。
どうも日本人の議論を見ていると,「儲かっている連中だけずるい。やつらにペナルティをつけろ」系の気持ちが働いているように見える。そうじゃなくて,自分が有利な立場に立つ努力をした方がよいと思う。「あいつがずるい」系の嘆願は,たいてい全員が嫌な思いをする方向にしか解決しない。典型例が国立大学の補助金減額とそれにともなう学費値上げ。「国立大学だけ安いのはずるい」「私立が高すぎる」という思いは本来なら「全体的に値下げして,国民の学力を上げる」というのが理想のはずなのに,「国立も値上げして,いよいよ富裕層しか国立大学に入れない」という真逆の方向で解決してしまった。まさに,人を呪わば穴二つ。
日本の場合,顧客の力が株主より強いせいで,原価を価格に反映できないのも痛い。今の物価高も,製品開発力が上がったのではなくて単に燃料高などの外圧でどうにもならなくなって上げているし。だからステルス値上げになって,以前の半分のサイズの豆腐やハムが売られるようになっている。これじゃ会社としてもジリ貧になる。株価も自力では上げられない。
麻婆豆腐の素には「豆腐350-450g」って書いてあるのに,売ってる豆腐がすでに「300g」なんだよね。