1.A氏 主張I
2.B氏 主張Iに関連するとして事実Jを持ち出す主張II
3.A氏 主張IIは理論Xに関係するとする主張III
4.B氏 主張IIIは理論Xに関係せず,理論Yに関連するとする主張IV
5.A氏 これまでの主張に全然関係ない主張V
論点をずらしたのは誰か?
3.でA氏の行うような,これまで出てこなかった話を持ち出すのは学者にありがちな論点ずらし。新たな話が出てきたときは,元の主張に立ち返って,話を限定するべき。
実際に似たような事象に出会って思ったのは,論理的に考えていると思っている人ほど相手の主張が読めておらず,かつ相手の主張の裏にある思考も読めていないということ。アンリ・ベルクソンの言葉にあったはずだが,「研究者は自分の理論からしか物事を判断しようとしない。」(不正確)という言葉が思い出される。エンジニアで言えば「ハンマーを持った人にはすべてが釘に見える」といったところか。
特に自分に自信がある者ほど「自分はできている」という思い込みのせいで,論理の抜けもれに気づくことができない。
結局A氏とB氏は依ってたつ背景が違っており,そこを推察せずに言葉をぶつけ合うので,理解しえないのであった。