K's Atelier

個人的な学習記録

研修準備

新人研修の時期は,技術講師にとっては繁忙期。

複数講師が各教室を分担して研修を実施する,と言う状況に,これまで何度も遭遇した。

そこで得た研修準備の教訓をまとめる。

  1. 顧客への報告物を網羅的に確認する。
  2. 受講者が独力で実施する課題の出題内容を確認する。
  3. 講師が実演する演習の内容を確認する。

1.顧客への報告物を網羅的に確認する。

顧客に対して報告する成果物と報告タイミングをまず,網羅的に確認する。報告成果物には,理解度を確認するテストの成績,演習進捗,講師所感などがある。これらはそもそも契約上の実施事項であるし,受講者の成績評価に影響する。したがって講師側の学習サポート品質の評価にも影響する。最悪,途中の講座解説で手順前後してしまっても,きちんと提出できて結果が良ければOKなのだ。

報告物をおさえる,というのは「ゴールから逆算する」という観点からも重要だ。通常研修テキストは「補足」「参考」などといった,理解度の違いに応じた資料がいろいろと挟まる。実施する研修によっては,そもそも解説の必要がない。無駄な作業を省くためにも報告物をまずおさえる。

2. 受講者が独力で実施する課題の出題内容を確認する。

受講者が対象作業を実施中,講師がサポートを行えない作業については,内容を把握する。実施前に説明をしておかないと,「説明不足で完成できなかった」という事態が発生するからだ。テキストの中で理解度確認テストに出題される部分は解説必須だ。標準ライブラリのパッケージ名などにいたっては,テスト開始前に「これを使ってください。」と説明するべきときもある。覚えている理由がないからだ。

研修によっては当該トピックを解説した直後にテスト,という厳しいスケジュールの研修もあるので,解説タイミングとテスト実施タイミングの考慮も必要になる。

3. 講師が実演する演習の内容を確認する。

講師が実演するものはリハーサルをしておく。ものすごく単純な操作であっても,研修中にいきなり実施するのは危険だ。研修環境は独自にカスタマイズされているのが普通だし,リモート研修の場合は普段の開発環境+Web会議システムで動作させていたりする。想定外の中断が起こることがある。特に新人研修では,普段使用しない初歩的なツールを使った操作などもあるので,「たった一つのキー操作を忘れた」ことで研修に影響することがある。

 

ということで,個別案件の研修準備は毎回状況が違うので,提案書,契約書をもとに個別の状況を「ゴールから」「サポートが及ばないところから」「自分が実演するところから」おさえる。

気持ちに余裕があれば,解説は調節できる。