K's Atelier

個人的な学習記録

SO(3,R)の有限部分群

永井保成,「代数幾何学入門」p.197を眺めると,定理16.3.1のところで,「SO(3,R)の有限部分群は以下のいずれかと同型である」ということで,最初に巡回群,そのあとに正2面体群などが出てくる。

ふと思ったのだが,正2面体群(要は平面図形)をくるくる回転させるだけなのは巡回群なのでは。ひっくり返しを認めずに,回転しかしないことにすればよい。なので,多面体群を分解すると,小さな巡回群が出てくる。

言葉で書くとややこしいが,サイコロを横回転だけさせる,とかいうことを見れば,誰でも直感的に分かる話だと思う。

ここまで考えて,有限部分群の分類の話というのは,「直感的には誰でも分かる『多面体の回転運動のパターン』が,本当はいくつあるかを厳密に説明する」話だということに気づいた。昔から,「立方体の回転の組合せは全部でこれだけしかない」という説明を読んで「なんで"これだけしかない"って言えるんだろう」と感じていたので,やっともやもやが晴れた感じがする。