K's Atelier

個人的な学習記録

演習11.1,永井保成,「代数幾何学入門」

 \displaystyle
p,q \in Z, p \ge 2, q \ge 2

のとき,

 \displaystyle
(Z/(p)) \otimes (Z/(q))

を求めるという問題。 (p)は単項イデアルなので, pZと同じ。単にpの倍数の集合である(p=2なら, { \cdots ,-4 ,-2, 0, 2,4, \cdots })。 (https://math2.work/%E5%8D%98%E9%A0%85%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2%E3%83%AB/)

証明自体は,次のリンクの定理10の通り。

https://mathematics-pdf.com/pdf/tensor_prod_calc.pdf

結果は,

 \displaystyle
(Z/(p)) \otimes (Z/(q)) \cong (Z/gcd(p,q)Z)

要は,p,qの最大公約数の剰余環,なので,例えばp=4,=q=6ならば,

 \displaystyle
(Z/(4)) \otimes (Z/(6)) \cong (Z/gcd(4,6)Z) \cong (Z/2Z)  \cong \{  \overline{0}, \overline{1} \}

ということになる。これを調べながら見つけたことがある。

中国式剰余定理の記述で,

https://www.ssu.ac.jp/home/ken/math23.html

 \displaystyle
(Z/pZ) \times (Z/pZ) \cong (Z/pqZ)

となる。なるほど,剰余環の積は,積による剰余環と同型で,剰余環のテンソル積は,最大公約数による剰余環と同型なのか。似たような構造の式を並べていくと,比較による理解が進む。