貸主として注意すべきことを調べている最中に,「借主もぼったくられないように気をつけよう」という記事を見つけた。
マンション撤去費用にハウスクリーニング代が含まれていた,という話。実話だとしたらかなり問題がある。
p.129,「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書2022年」には,「貸主の負担」として全体のハウスクリーニングが記載されている。
もともとは「現状回復ガイドライン」という国土交通省の出している基準が関わっている。「通常の経年劣化と考えられるものは貸主が負担するのが適切」という考え方だ。借主が居ても居なくても劣化するものまで借主が積極的に負担するということを極端に進めると,修理か所は「借主の所有物」になりかねない。
住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省
ガイドラインは法律ではないが,「それはおかしいんじゃないか」と感じたときの根拠にはなる。
借主の無知,貸主の無知,業者の無自覚,いずれもあり得る。責任の所在を無視して建物を修繕するようなことをしていると,結果的に建物が粗雑に扱われるし,人間関係も損なわれる。借主,貸主,業者のいずれもがうまくいくには,3者の協力が大切。