K's Atelier

個人的な学習記録

数学書の読み方

先人のアドバイスをもとに,自分なりのやり方を考える。

 

1. 理論の「背景」を知る。

「背景」→定義→命題or定理→証明

なので,背景があって「そういう定義するんだ」ということが分かる。素人は躊躇せずに啓蒙書で背景を把握した方が早い。

2. 中心となる本を1冊決める。

半年から1年間は浮気しない。1冊の本を中心に,Webや他の書籍で調査する。

3.  定義,定理の使われ方を,証明から読み取る。

なぜそういう定義の仕方をするのか,なぜこんな補題があるのかは,先々に記述されている「証明で使いやすいようになってる」から。なので,証明を確認して「定理〇〇より,AがBであるのでCが言える」をたくさん探す。

4. 全体を掴む。

定理は使い方を覚えることが大事。数十ページ,数百ページ先で使われていることもあるので,1ページごとに考えると全体がつかめない。ある程度は強引に先に進め,章ごとの重要概念,定理の関係を先に掴んだ方が理解が早い。

5. 目次,索引を眺めながら,「思い出す」訓練をする。

理解しているかを確認するには,目次や索引を使う。「どれが重要な概念,定理か」「その定理のためにどんな補題や命題が使われたか」「何が具体例だったか」を思い出す。

6. 数式(特に等式,同型),図式がある箇所はノートに書き写す。

代数系の数式は,書きながら等式前後の記号の違いを調べることで,頭に入ってくる。可換図式は,証明を追うときに書き順がある。書籍だと最初から全部書かれているので,「〇と◇があるので,△が存在する」系の証明は,その順序通りに図を書いていく。

7. 記号表を作る。

記号と,初出のページ番号をまとめた表を作る。「Opn(X),p.216」など。

8. 同様の数式,図式がある箇所を探して,書き並べる。
9. 証明を書き写すとき,証明中で使用されている定義,定理を一緒に書き出す。

全部展開しなくてよい。1段階だけ展開する。