K's Atelier

個人的な学習記録

永井保成,「代数幾何学入門」

この本は,数学素人の私に数学書の読み方を実践させてくれた本。

 

永井保成,「代数幾何学入門」,森北出版,2021

 

ちまたで言われている数学の学習法を,本書に適用して遊んでいる。

 

この本は,「代数幾何学を考えるということは,もともとどういうことなのか」を簡潔に,しかも確認できるようにしている本だと思う。

数学書は「定義→(命題|定理)→証明」で進んでいくが,初心者にとってはその前に「背景」を理解する必要がある。背景や動機を一度も確認したことのない場合は,他の人の意見は気にせず,啓蒙書から読んで良いと思う。

本書は啓蒙書ではなく,本気で読み込むタイプの数学書だが,例は丁寧に選別されていると思う。

個人的には,複数の証明の中での「短完全列」の使われ方に気づいたところから,代数幾何学(と代数トポロジー)に対する見通しが突然開けた。

 

今はWeb上にも数学の解説がたくさんある。本書を地図代わりに,気になったキーワードを検索するだけでも十分楽しめる。

 


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